ピーナッツ。

「山でパンクしたです・・・」と持ち込まれた一台のMTB。

チューブを取り出すと綺麗〜にリム打ちした跡があり、まぁパンクしたのも仕方ないってな話なんですが、

生憎ポンプを持って行って無かったそうで、麓まで押して降りて来たとの事。


「近くの山を走るだけだから」と気を抜いてポンプ不携帯とか話にならん、ポンプは武士の魂と心得よ!

とか言う己自身、朝の山散策におけるポンプ不携帯ってのはチョコチョコあります。

チューブレス(シーラント入り)だと多少パンクしようとも自走不能とまでは中々行かなんでですね、

先日山で軽くパンクした際も、帰宅後に圧を計ると約0.5キロ程度を保っていたりしましたし。



そんな絶大なる恩恵を与えてくれるチューブレスですが、微妙〜な弱点があります。

チューブレスユーザーであれば一度は頭を抱えた事が?あるあるあるある!な此処。

チューブレスバルブを固定するナットの緩みです。

シッカリと締めた積りでも使っている中でバルブのゴムが痩せたり、空気入れる際の捻りで少し緩んだりと、

知らぬ間にエアが抜けている原因3番手辺りに位置する地味ながらも憎い奴。



では有効な対策は?

「阿呆ほど締めて締めて締め込んで捩じ切る!」

違いますね、全く違います。程々の締め付けを適時管理する事が何よりの対策です。

その為に、こんな地味な部品が存在する事・・・ご存知ですか?

Problemsolvers BIG P-nut (ペア)  ¥1,300(税別)


オシャレなバブルキャップというのは数多ありますが、社外品のバルブナットというのは・・盲点ですね。

形状を見れば一目瞭然、普通のバルブに付属して来るバルブナットと違い如何にもトルクがかけ易そう、

コレなら日常のふとした瞬間、バルブ根本に手を伸ばし「キュッ」と締め付けを確認出来る、と。


こんなモノが¥1,300もするのか!と文句出そうになりますが、その恩恵を想像すると・・・大ヒットの予感さえしてくる不思議。

因みにチューブレスバルブとセットで¥2,800という選択肢もありますが、個人的にはナット単品をお勧めします。




「でもどうせチューブレスバルブを買うなら最初からピーナッツ付いてる方が良いんじゃない?」

という場合であれば、同じピーナッツでもビッグピーナッツではなく「スーパーピーナッツ」を。

左のビッグピーナッツよりも更に大きなスーパーピーナッツ(右)。

両者の違いはナットの大きさだけではなく、構造自体が根本的に違いまして、

ビッグピーナッツが純粋にバルブナットを入れ替えて締め付けを強化する事を目的にしているのに対し、

スーパーピーナッツは下画像の通り、大小2個のナットを用いて締め付けを強化するというモノ。

Problemsolvers Super P-nut (ペア)  ¥2,100(税別)


この2個のナットは皿状の接触面を持ち、リムとナットの接触面積を安定させる効果もあります。

またMavicのチューブレスバルブの様に、リム外側(ナット内側)にもシールリングが用意されているので、

バルブ穴加工制度の甘いシングルウォールリムと組み合わせれば抜群の効果が得られましょう。



こんなピーナッツ兄弟が居てくれればバルブ根本からのエア漏れなんて怖くも何とも無い!とまでは言いませんけどね、

チューブレスユーザーにとっては少し「なるほど〜」なオモシロ部品と言えるのでは無いでしょうか?


来年以降、色々なブランドのチューブレスバルブのナットがピーナッツ化する可能性大な気がします。

ただの理由なき妄想ですけどね。

空井戸サイクル

「自転車に恋をして」 日々横を通り過ぎるママチャリでなく、恐る恐る触れる超高級車でもなく、跨り漕ぐ度にときめく自分の愛車。それを見つける旅の水先案内人が自転車屋です。そしてその恋がズッと続くお手伝いを今日も明日も明後日もしていたかったのですが令和二年をもって廃業し現在地下潜伏中。