トロ〜リ、枯レールー。

腰痛が随分治まって来たのでチト山でも見に行くか、と出掛けたは良いけれど・・・あれ?何かタイヤふにゃってない?。

携帯していたガスボンベでシューッと一発リカバリーして帰って来ましたが、まだ少し抜けてるような。


どうやらコレは・・・。

中にブチこんでいたシーラントが枯渇してしもうとります。

チューブレスタイヤの気密性を上げてくれるだけでなく、パンク時の自己修復剤としても機能するシーラント。

弊店で主に使用しているStan'sのシーラントは優れた流動性と圧倒的補修能力でベタ中のベタな製品ですが、

唯一どうしようもない欠点としてあるのが「時間と共に乾いてしまう」という事。


いや、他にも古くなると臭くなるとか施工後タイヤを外すとタイヤが張り付いて変な事になるとか色々ありますけど、

「困るぜ」とまでなるのは乾くというポイントだけで、対応策としては定期的に追加してやるのみ。




そう、定期的に追加してやれば良いだけの事です。

でもそれが・・・邪魔臭いというか・・・「いつ足したら良いんだっけ?」という予定が管理し切れんので、

丁度先月発売された「乾かない」を謳うシーラントを試してみよう、というのが今回。


巨大自転車用ケミカルメーカー「Finishline」が満を持して贈る高機能シーラントがそれで御座います。


乾かず能力が高いならそりゃ有り難い事限りない訳ですが、中身をタイヤ内に注いでみますとこんな感じ。

かなりドロっとしておりスムージーみたいな感じですね。スムージー飲んだ事ないんでイメージだけですけど。

このドロっとへばり付く感じは良いものの、サラッと広がるスタンツ製品よりも入れるべき量が多めになりますので、

重量的負担が増すとか必要となる御銭々が増すとかいった小市民的問題点も御座いましょうな。



と言うか比べるなら「スタンツ製品と」ではなく、同じく乾き難い事を売りにするEvers製品になるのではなかろうか?

エヴァーズはエヴァーズで「チューブに入れるパンク防止剤」的な売り方ですから完全にライバルとは言えませんが、

まぁ細かい事言い出したらキリが無いので早速比べてみましょう。

青がエヴァーズ、白がフィニッシュライン。両者を少量取り出してみるとこんな感じでエヴァーズの方が粘度が高いですね。


流れ切った跡を見比べると、エヴァーズが視認出来ない程に細かい繊維を含む&少々ダマになる傾向があるのに対し、

フィニッシュラインは視認できる程度の細かさの短い繊維と胡椒粒みたいなモノを含む&比較的均一に広がっているのが見て取れます。


あと水をかけるとこんな感じで、エヴァーズは乳化反応をみせるのに対しフィニッシュラインは反応せず混ざるだけと、

似た様な製品ながらそもそも素材が違うんだろうな、という予想がたちます。だからどうしたって話ですね。

まぁしかしこれ等の差を考慮すると、エヴァーズよりもフィニッシュラインの方がより少量で効果を得られそうなので、

MTBで使うならフィニッシュラインの方が良さげな気がします。

ホイル外周付近の重量差が如実に出るロードなら、めんどくさがらずにスタンツを選ぶ方が良いですよ、きっと。

グラベル系とかなら・・・ん〜・・・自分ならフィニッシュラインを選ぶでしょう。



と、そんなこんなで新登場したフィニッシュラインのシーラント。

その正体は自動車用パンク防止剤大手のMultiSeal社製品を自転車用にリメイクしたモノだそうで、

「スタンツを超える気密能力&即効性」までは無理としても、どこまで良い仕事をしてくれるのか?期待大です。


だって、コレでチャンとエア漏れが止まってくれてパンク時にも自己修復をしてくれるなら、

タイヤ汚れないしシーラントの乾きに怯えなくて良いしで万々歳ですよ。



ついでにバルブナットもビッグピーナットに変えて長期エア漏れ包囲網の完成。多分。

さぁどんなモンかな?と期待しつつ暫く乗って試してみようと思います。

空井戸サイクル

「自転車に恋をして」 日々横を通り過ぎるママチャリでなく、恐る恐る触れる超高級車でもなく、跨り漕ぐ度にときめく自分の愛車。それを見つける旅の水先案内人が自転車屋です。そしてその恋がズッと続くお手伝いを今日も明日も明後日もしていたかったのですが令和二年をもって廃業し現在地下潜伏中。