家内制手工業。

肉体がフリースやダウンと一体化した冬も終わり、もうすぐ立春。

息子の通う保育園では土から這い出したミミズやダンゴムシが早くも人気者、というか弄ばれまくっています。


そんな朝晩の冷え込みは別として日中は上着の必要性も下がり肩が軽くなる今、

「丁度良い一着」というのはこの様なシャツではないでしょうか?

とてもとてもシンプルなデニムシャツ

素材の特性を活かすとどうしてもタフ&ハードなイメージになりがちですが、

潔くポケットを無くした事と、折り返しをチラ見せした前立でデニムらしからぬスマートな印象。

肩がラグランである事もまた印象のスマートさに寄与しておる訳ですが、

この事により生地の硬さを感じさせない肩周りの動きの軽さを得れており着たまま眠れるレベル。


背面を見てもやはりワークシャツ的印象はほぼゼロですが、実際に毎日着てみると着心地自体は実にワーク向き。

細からず太からずなアームで修理作業からキーボードパチパチまでスウェット並のリラックス感。

ただ完全にポケット無しとなると流石に不便を感じる瞬間もありましょうから、

右背面に文字の通り「取ってつけた」様なバックポケットを一つ。



デニムという物凄く身近な素材ながら、デニムシャツを着るのはコレが生まれて初めて。

それを「まぁ良いから着てみなさいよ」と渡してくれたのは某ブランドでデザイナー兼パタンナーをしていた831氏。

そう、このシャツの驚くべき所は一人の人間がデザインから縫製まで独りで行っているという所。

その為、裏についているタグには連絡先として携帯電話番号が。大丈夫なんですかね?コレ。

彼独りが生きて行けるだけの利益があれば良い、という事で価格も無駄に抑えられており、

この品質を思うと信じがたい¥12,000(税別)というプライスだけでなく、

品質的にも早速着て頂けている御客様から「凄く良い!」と好評頂いております。



効率化の進んだ現代においては稀有な存在となったお手製の服、チョッと面白いですよね。

店頭にはSMLと各サイズ在庫しておりますし(予想外の好反応で展示サンプルはS一枚のみに。現在追加依頼中)

「もっと袖が短ければ・・・」といったカスタムオーダーも可能。


「手作りだから良い」とかいう事ではなく、服とこういった関係性で結ばれるってパターンがある事が嬉しいですし、

何よりTシャツの上からザッと羽織った時の気持ちよさを一度試して頂ければ幸い。

空井戸サイクル

「自転車に恋をして」 日々横を通り過ぎるママチャリでなく、恐る恐る触れる超高級車でもなく、跨り漕ぐ度にときめく自分の愛車。それを見つける旅の水先案内人が自転車屋です。そしてその恋がズッと続くお手伝いを今日も明日も明後日もしていたかったのですが令和二年をもって廃業し現在地下潜伏中。