ミクロの決死圏。

在庫車両を「無責任特価」と銘打ち御案内していたりいなかったりする現在。

今後のメンテを見ることが出来ないので無責任にならざるを得ない訳ですが、無責任といっても今後が気になる。

例えば此方のSalsa/Vayaの完成車、構成する部品の其々がバッチリ納得出来るレベルなれど、

このクランク「FSA/Omega」だけは・・・どうも今ひとつ・・・引っかかる。

見た目がどうとか性能がこうとかでは無くてですね、この「Mega-Exo19」なる独自規格のBBが曲者で。

クランクを抜いてみると御覧の通り、見慣れない感が溢れ出す妙に細い19mmスピンドルがコンニチハ。

軸が細い分だけベアリングが強く出来るんだろうな、と思いはすれども「で、このBBどこで売ってんの?」と聞かれると・・・。

★翌朝気付きましたがプロファイルレーシングのアウトボード使えないですかね?


コンパクトクランク(110pcd)よりも更に軽い「マイクロコンパクト」などと呼ばれる48x32tのギア比は魅力であります。

ただMega-Exoの様な専用規格となるとBBが傷んだ頃にBB手配で苦労するかもしれませんしBBの価格も安からぬしで。



このままでも良いと言えば良いんだけど引っかかるんだよな〜、とウジウジしてるとチンペーさんの声が聞こえて来ました。

「そうだ、GRXへ行こう」

そっそそーそー、GRXならマイクロコンパクト選べますもんね〜、ナウ&確実ですよね〜。

でも正しいとされる道にスススっと進めりゃ我が人生今頃こんな事になってないって話だよね〜。

という訳で取り出したるは此方。余り物の何の変哲もない四角軸コンパクトクランク。使い道はまだない。

そして此奴と組み合わせるは普通っぽいのによく見るとチョッと変な気がしてくるチェーンリングセット。

pcdは間違いなく110です、110なのに「インナ30t」

「インナは最小34t」というのがコンパクトの常識で、探せば無茶して知ったホントの俺をな32tがある位。ボンバへっ。

まぁ要するに110pcdのコンパクトクランクに30tを着ける事は寸法上不可能なはずなのです。

ただ「不可能」なのは「旧来の規格にそって作っている限りは」という常識の頸木あっての事で御座いまして、

それに対して非常識な構造でギリッギリまで追い詰めた結果の30t、取り付け方からして全く違う事になっています。


実際のクランクに組み付けるとこんな感じ、アウタはスパイダアームに半分めり込む感じとなり、

インナをその分だけ更に内側へオフセットさせる事で、インナ駆動時にチェーンとスパイダが接触する事を防ぐ、と。

なるへそ。

と現物見れば納得しますが、考えるだけなら良いとしても実際に作ってしまうってのは凄い。


まぁそんでこのチェーンリングを使う事でインナ30tという選択が可能になるというポジがある反面、

インナからアウタへの変速時にチェーンとスパイダが接触する可能性は残るというネガはあります。

それでも「手持ちの110pcdクランクを使える」という自由は替え難い魅力ですし、

今回の様に四角軸BBクランクであればBB手配で困る事から金輪際開放される魅力もまた。

そして何より・・・見た目がスッキリしてて良かないですか?

ポンコツになり始めた手持ちの110pcdクランクをまだまだ使い倒す為に生まれたこのリング、

Formosa/ClimbRingという製品ですが実はまだサンプルしか存在しません。

フォルモサの中身の人曰く「昔ながらの5アームと今時な4アーム、どちらで作るべきかで決め兼ねている」との事。

個人的には66アルテでクライムギア!とかタービンLPでクライムギア!みたいな事をしたいので110pcd推しですが、

皆さんならどっちが良いと思いますか?御意見を弊店かフォルモサさんまで頂ければ幸いです。



「ギアの選択肢が無ければブリオッシュを食べれば良いじゃないの」

もう何度と無く使い回したアントワネット節ですが、ギア数の悩みを解決出来るなら出費惜しまぬアナタに「VBC」

クランクにアウタをダイレクトマウントし、そのアウタに専用5ピンでインナを固定するというスパイダレス構造の為、

アウタとインナの組み合わせは自己責任の元やり放題なホワイトインダストリーズのダブルクランク。


そう、この製品の持つ最大メリットは歯数選択肢の自由さであり見た目など二の次なのです。

二の次なのです!と言いつつ意識の前へ前へ迫り出して来る事実は否めませんが。

そんなVBCに46x30tを組み合わせた正にナウでキッチュでポップなマイクロコンパクトクランク、

在庫一つあるので特価にて秘宝館に追加しました、懐に余裕のある(とは言え限りがある)方は御検討あれ。

え〜、そんなこんなで今日は此処まで。明日は長男卒園式の為休業&明後日は定休日です。

空井戸サイクル

「自転車に恋をして」 日々横を通り過ぎるママチャリでなく、恐る恐る触れる超高級車でもなく、跨り漕ぐ度にときめく自分の愛車。それを見つける旅の水先案内人が自転車屋です。そしてその恋がズッと続くお手伝いを今日も明日も明後日もしていたかったのですが令和二年をもって廃業し現在地下潜伏中。