未解。

閉店まっしぐらの弊店に顧客様より最後(仮)の御依頼が届きました。

曰く「自転車を見繕うべし、条件は以下の通り」


1、駐輪場に駐めるのでスタンドが取り付けられる事。

着く・着かないに留まらず「実用上不便が無い」となればスタンド取り付け台座が装備されている車両が好ましいですね!



2、荷物を積むのでキャリアがつく事。

日常的に大きなスポーツバッグを持って移動されるとの事なので、普通のキャリア程度じゃ有っても焼け石に水。

しかしコレくらい大きいキャリアなら何でも積み放題なのでストレスフリー!



という事で導き出した答はSalsaのアドベンチャーミッドテール「BlackBorow」

平常営業時であれば止める事はあっても勧める事はまずない一台です。

ハブは前後ファット規格で汎用性が高いとは決して言えず、武装するコンポもDUBクランク&Sramイーグルと熟れ感薄く、

挙げ句タイヤは27.5x3.8という新ネタ「27.5ファット」なのでタイヤもチューブも選択肢無いし今後どうなるかの不安も大きい。


しかし「閉店決定=責任が負えない」という現状において、頂いた条件に適合する車両で「良いと思うの」となれば、

無責任感全開で「ブラックボロウ〜っ!」と返答してしまったワタクシ、そして「良いね!」と承諾してしまった顧客様。




ブラックボロウがデビューするホンの少し前に、Surlyが近似ジャンル近似価格のBigFatDummyをリリースした関係上、

「装甲車の様な重厚感!究極のロングテール・ビッグファットダミー!コヤツを前にしてはアルミのブラックボロウなど」

と、ビッグファットダミー推しが故のブラックボロウに対するネガな視線がありました。


しかし見るのと乗るのでは違いまして、実際に乗る機会に恵まれそこらを一回りしたら感情はUターン。

「やだ、何これ・・・最高じゃない。持って軽く走って軽い、ロングテールとは違った存在だわさ♬」



「長い自転車」でロングテールと一括にしてしまいそうになりますが、並べてみるとその差は一目瞭然。

ザッと30cmほども短い上に、フレームもキャリアも何もかもが軽いのでマニュアル・・・は無理としてもウイリーならギリ出来そう。

ビッグファットダミーが重戦車とすれば、ブラックボロウは機動性が魅力のIFVみたいな感じでしょうか。

この軽快感は乗らねば想像もつかんはずですから、無責任な今を機会とばかりにノールックシュート!

・・・いや、答として全く正しくない事は重々承知しておるつもりです。

しかし間違いではない事にも絶対の自信があります。


さぁその答は?ワタクシが自転車屋でなくなった後、個人的にお伺いさせて頂くという事で。

空井戸サイクル

「自転車に恋をして」 日々横を通り過ぎるママチャリでなく、恐る恐る触れる超高級車でもなく、跨り漕ぐ度にときめく自分の愛車。それを見つける旅の水先案内人が自転車屋です。そしてその恋がズッと続くお手伝いを今日も明日も明後日もしていたかったのですが令和二年をもって廃業し現在地下潜伏中。