HawkEye崩壊。

どうにも需要が無さそうなのでもう辞めますってな中、最後に花をとばかり御厚意オーダーを頂くのですが、

作業の進行が重複して行くとアレの段取りを練りつつソレのバランスを考えながら手を動かすという、

ジャグリングの様な状況になりまして、医療崩壊ならぬ作業崩壊を起こしている空井戸サイクルです。

なのでメールの返信など対応一切合切遅れておりますし、現在作業のお持込は一旦停止&予定御相談にてお願いしております。

フザケた話で申し訳ありませんがどうぞ御容赦頂けます様お願い申し上げます!



「いや、こんなの書いてる暇があるなら作業しろよ、容赦しねぇよ、10年屋外放置した自転車のOHやれ」

という話で御座いますが、只今自宅謹慎中(byコロナ学級閉鎖)の子供の面倒見ながら自宅で書いている様なアレで。


実際問題、全ての作業を定型文に嵌めてこなして行けば効率はまだまだ上げられるんだろうなとは思いますが、

考えんと千切っては投げ千切っては投げの作業をお客様が求めているとは思えませんのでワンバイワンステップバイステップ。

さて此方、顧客様より「コンパクトボディな奥様用に」と御依頼頂きました一台。

カタログの画像を鵜呑みにして「コレ!」と選んでしまうと、実際に乗る車両を目にした瞬間「・・・ナニコレ?」となる、

そんな小さいサイズの自転車独特のあるあるであるバランス崩壊を避けるべく選んだベースはSurly/Packrat


42という常識範囲の下限に近いサイズながら26インチホイルを採用する事で立ち姿のバランスは悪くないというか良い。

あとはこのまま仕上げて完成。と気を抜くと家庭崩壊を呼び寄せるかもしれません。

1、嫁にも自転車の素晴らしさを知って欲しい。

2、自分の物欲を織り込みつつステキな車両建造計画を発動。

3、完成し嫁を喜ばそうとサプライズ発表

4−A、嫁激怒「こんな高いモノ買うてきて!」

4−B、嫁恐る恐る乗るも尻の痛さと不安定さに慄きザリガニの如く尻が退ける。


この4段階目のA案もB案も避ける為に盛り込むべき点は・・・。

イ、見た目が多少バランス悪かろうともまずは乗れる事が何よりなので最大限にハンドル位置を上げる=スペーサ鬼積み。

ロ、サドルはドシッと体重乗せきっても受け止める幅広&尻フィットな安楽サドルを前上がり気味にセット。

ハ、シートポストも日東で、と揃えたくなる所をグッと我慢して限界まで下げる事が出来るボンデット構造の廉価品に。

結果として視覚バランスは上画像の仮組み状態の方が美しく、下画像の仕上がり状態の方が妙になるという劣化を起こしています。

しかし作ったからには乗って頂けん事には話になりません。

まず何はなくとも乗って頂き「チョッと怖いわねぇ」となればサドル限界まで下げて少しずつ慣れて頂ければ結構ですし、

いきなりヒョイヒョイと乗りこなされるタイプであればコラムをスパッと切ってより良いポジション&スタイルに、みたいな。


てな話を店頭でしていると「っていうか女性の方が案外見た目重視な人多くないかね?」と指摘されるに、

乙女心をわかっていない己の野暮天っぷりに唇を噛むばかり。

因みにハブはライト級虎の子、廃盤品となったツヤツヤシルバーのT670-LXハブを投入です!

という主張がまた野暮天で、もう、ねぇ。

このハブが何かなんてオーナーは一生気が付かない&気にもしないでしょうし。



対して「シルバーのディスクハブ」という御指名をうけ降臨した此方のハブ。

ヨシガイのエネシクロブランド製品「ツーリングディスクハブ」で御座います。

金属色シルバーのディスクハブって選択肢少ないじゃないですか?

その中にあってフロント¥9,000&リア12,000の前後計¥21,000ってのは、銀色の視覚的軽さを求める人には恩寵かと。


感触的にはシール甘めの回転軽めみたいな傾向が感じ取れますので、ドロ試合向きではない気がしますが、

ベアリングはシールカートリッジなので「ベアリング傷めば打ち替えれば良いじゃないか」と気楽に臨むべし。

シルバーの自転車部品というのは今も昔も変わらず「基本」という感じがしますが、

一度ブラックパーツに制圧された自転車部品界は、少しずつシルバー圏確保進むも伸び代いまひとつ。


随分前に某シマ◯社のコンポ企画をされている方にこんな勝手な相談をした事があります。

「旧品番の78とか79とかのデュラをベースにシルバーポリッシュで仕上げた、

 ジュラエースクラシックみたいなのは一定数以上のニーズあると思うんですけど・・・出来ないモンですかね?」

ソレに対する答は超シンプル。

「作ったとして幾つ数が出るか、ですよね。」


そう、こんなのあったら良いな〜、欲しいと思う人多いと思うな〜、など漠然と思っている程度では世は動きません。

自らシルバーパーツしか選ばない!という強い意志の元、ブラックパーツボイコットを展開してはじめて、

シルバーパーツとブラックパーツを自由に選べる未来がやって来るのです!


嘘、黒は磨けばやがて銀となる。黒が嫌なら磨くべし。

空井戸サイクル

「自転車に恋をして」 日々横を通り過ぎるママチャリでなく、恐る恐る触れる超高級車でもなく、跨り漕ぐ度にときめく自分の愛車。それを見つける旅の水先案内人が自転車屋です。そしてその恋がズッと続くお手伝いを今日も明日も明後日もしていたかったのですが令和二年をもって廃業し現在地下潜伏中。