バトンタッチ。
弊店最後となる「おつかい」に行って来ました。
モノは御客様の一台を組ませて頂くに際して御指名頂いたグランボアさんの「玉千鳥」。
店に帰って来てふと見ると己が店にも在庫があった、とかそういうウツケ話はどうでも良いとして、
組み合わせる対象は此方のヨシガイの現代的センタープルブレーキ「GC610」。
現代においてこんな素敵なブレーキがこんな価格で入手出来るのは非常〜に有り難いのですが、
「買ってポンとつけて完成」という気軽な製品では無い点を面白いと見るか困ったと見るかによって評価は少々上下動しようかと。
まず第一に!メーカーさんから怒られそうな気がしますので推奨は致しませんが!
リターンスプリングがクッソ重い=ブレーキの引きがクッソ重いという問題を緩和すべく何はなくとも一旦解体。
スプリングの開き角は約135°といった所でしょうか。
此奴をバイスや丸棒やなんやを適当に使って90°目指しつつも!90°なんて絶対無理なので120°くらいで勘弁しといたる。
加えてリンク部とスライダ部に脂分をスリスリしてやれば随分動きも変わりまして、クッソ重いが「重い」くらいにはなります。
以上、GC610体操第一終了。
続いてGC610体操第二開始。
GC610は組み合わせるリムの前提が結構広めでして、一般的なロードリムと組み合わせると御覧の様にコマネチります。
コマネチるというのは専門用語、てのは純粋なる嘘ですが言わんとする所は「シューがリムに接触する際の角度が変」という事。
そこで用意したるはロードシューを使うVブレーキ用の舟。って意味不明。
以前であればカプレオ用シューが定番でしたが、同品廃盤となった今はTioga製品(@¥1,000)の時代。
間座の入れ替えでリムとアームの距離を調整出来る本品を使う事でやっとこさマトモに使える状態になる、と。
とは言え画像をよくよくよくよく見れば「ワッシャの位置がおかしい」という事実があり、
前述したスプリング曲げと同じく「本来あるべき状態ではない」けど「そうした方が使い良い」という、
実に素人臭い仕事をしている辺りに、己の自転車屋としての限界を感じずには居れません。
「考えたい事」と「考えなければならない事」がイコールで結ばれるというのはとても幸せな事だと思います。
スマホの割引だとか加速走行騒音とかコロナ禍中の過ごし方とか、考えても全く楽しくない事が積層して行く中にあって、
「自分の自転車はこうしたらもっと良くなるかな?」と考える事はきっと楽しい事でしょうし、
「エイヤッ!」とやった事が多少間違っていても許してくれる簡素な自転車もきっと良いモノのはず。
こんなに楽しい事を自転車屋なんかに任せて良いんですか?勿体無くない?
コロナコロナで時間があまりまくっている昨今こそ、トライしてこなかった自転車との距離を縮める機会かもしれませんぜ?
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