維持意地万歳。

此処の所ずーっと「荷台付き・スタンド付き」という実用性満点の自転車に乗っております。

で、今年雨が多かったじゃないですか?濡れながら毎日思うたですよ。

「やっぱフェンダー・・・欲し」と。

以前は「フェンダーにおける便利さvs邪魔さの勝負は・・・邪魔さの勝利!」と思っていたんですけどね。

ダート行く訳でも担ぐ訳でもない実用車となれば話は違う、という当然の事に今更気づいた次第。

台風の季節が来るからまだまだ雨降るんだろうな、との期待を込めてフェンダー装着した現在のメインバイクが此方。

Sunrisecycles高井氏率いるフレーム製作(分業)チーム「Co-Creation」の手による初のオリジナル車両「ムサスト」

いや、本名は「小径前カーゴ」という味気もへったくれも無い名前だったので、

前荷台の「正面からムササビに突っ込まれた様な形状=ムササビストラック」をしてワタクシが勝手に命名しただけですが。



まぁそんな名前の事はどうでも良いとして便利なんですよ、此奴が。

小径車なので荷台がデカイ割に取り回しがよくパッと乗り出せるし、スタンドついてるから何処でもパッと下りれるし、

荷物があれば問答無用で運べるし、今回フェンダー着けた事で雨天下も突貫出来るしで。


そんなこんなで我が家の自転車軍団における「日常性重視担当大臣」の席にはムサストがドッカリと腰を据えた事で、

今までその席にあった「フロントラックを装着したEBS/Hobo」の存在意義があやふやに。

ネオスポルティフとして生を受けたHoboに、存在するだけで素敵なクイルのブルムースを着けてインチキクロスバイクとして運用。

コレはコレで良いんですよ、良いんですけど・・・ポジションが変。


ロードバイク(=非ロードレーサー)として己好みのトップ555mmに設定したHoboのLサイズ。

トップ長めとは言えどあくまでロードバイクとしたら、の話。

そこにこんなコンパクトなポジションのハンドルを組み合わせると窮屈になるは必然。

市内をクルッと回る程度なら楽しいんだけれど「山越えてそのまた向こうへ」とかなると・・・全然楽しくない。


ドロップに戻すか〜、でもドロップに戻すと純然たるロードバイクである欣求とキャラ被るし何より新鮮味無いから、

そうだ、やっぱり純サイクリング車としてキャラを確立させよう、となるとハンドルはマスタッシュつけたいね!

未だに薄ぼんやりと「BSのXO-1欲しいなぁ」と思い続けているけど、台数増えても困るから手持ちのアレでナニする方向で。



でもマスタッシュを取り付ける際には「ステムは短め&上向きでないといけない」と自転車憲法で定められているのに対し、

ノーマルクイルステムでその要件を満たすモノなど現代に流通している訳も無く・・・無く・・・無・・・あった!

仕入れは秘密のヤフオクですよ。

あれ?秘密が漏洩したか?まぁ良いや。要らないモノを要る人へってのは健全さな。


このステムが手に入った事でマスタッシュのマスタッシュたるポジションを獲得する事が可能になり候。

チャチャッとハンドル交換してプラっと走ってみると・・・すんごく良い。

漕ぐという行動に適した良いポジション、その当たり前の有り難さに浸りつつ滑り行く快感よ。

このHoboというフレームは元々「キャラクターチェンジ前提」で企画・設計したモノです。

純然たるロードコンポで組んで程々に頑張るもよし、太めの32cタイヤを履かせてパスハン気取るもよし、

フェンダーやラックを着けて快速ツーリングに仕立てるもよしの規格整合性を盛り込みつつ、

それでいてどんな組み方をしていても「地味ながら一目でそれと分かる普遍的美しさ」を含ます、みたいな。


実際にワタクシもHoboを走りに行く際のメインバイクとしていた時期もあるし、フェンダー着けて全天候コミューターとしていた時期もあるしとキャラ付けは色々。



ズッと一本筋の通ったキャラで付き合って行ければ良いんですけどね。

(カーボンバックのプリンスを65アルテでズーッと乗り続けている人とか超格好いい)

そんな確立した自己は無いし人生結構永いし予想せなんだ事も色々あるしで、そうも行かんのが現実です。

己の好みや都合と合わなくなったから自転車丸ごと買い換えるってのが普通なのかもしれません。

けどワタクシは邪魔臭い方が勝つんですよ、買い換えるとかって。


欲しくて買った(&作った)自転車が許容限界まで手元にある現在ですから、一台手に入れるなら一台手放さなければならない。

どれを手放す?って無理無理無理無理。



モノを手に入れるのは(比較的)簡単、それよりも手放す事の方がずっと難しい。

縁やトキメキや何やかんやがあって手元に集まったのだから、アアでも無いコウでも無いと遣り繰りして、

ズッと楽しく付き合っていけたら良いなと思うし、その願いを簡単に叶えてくれる「自転車」って存在は凄いと思うんですよ。


時代遅れな感覚かもしれないけれどさ。時代なんか関係無ぇ!って言える時点で自転車バンザイ。

空井戸サイクル

「自転車に恋をして」 日々横を通り過ぎるママチャリでなく、恐る恐る触れる超高級車でもなく、跨り漕ぐ度にときめく自分の愛車。それを見つける旅の水先案内人が自転車屋です。そしてその恋がズッと続くお手伝いを今日も明日も明後日もしていたかったのですが令和二年をもって廃業し現在地下潜伏中。