草鞋。

ストーブを一日焚きっぱなしにしてもまだまだ吐く息が白い(@室内)1月7日、非常に寒いです。


こういう寒い日はストーブで背を炙りながら草鞋を編む様に黙々とホイルを組むってのが最高。

冬休みの宿題的に御依頼頂いたのは何とも懐かしいRM-20

MTBリムとしては第一世代に属するであろう此奴が、令和の今に新品で持ち込まれるとは・・・。

そんなこんなで年末ギリギリまでホイルを組み、年明けからまたホイルを組ませて頂けている訳ですが、

ワタクシはホイル組みが好き、というよりかホイル組みこそ自転車屋仕事の基本だと思っております。

「ホイル組みたい!」という一部の好事家を除けば殆どのユーザーが「無理or邪魔臭い」と考えるであろうホイル組み。

弊店で頂いております基本工賃¥3,000/本を高い!と怒られた事は無いのに対し、

組む方としても¥3,000貰えれば嬉しいという両者納得皆ニッコリな関係、コレって仕事として理想的では御座いませんか。



正直な所、ホイルはただ組むだけならそんなに難しい作業ではありませんので、

出来不出来なんて気にせず乗り手御自身で楽しく組んで頂くのも良いんじゃないかと思うのですが、

スポーク長の当たりつけて、仮組み用のスポーク手配して、仮組みして、適した長さのスポーク用意して、

そこから本組みして、の前に各種工具を用意してっとなるとまぁ・・・邪魔臭いですよね。

今まで何本くらい組んで来たんだろう?と考えても全然わからんですが1000本以上は確実。

思い返せば100本組んだ辺りで「もう分かった」気になり、300本組んだ辺りで「全然ダメ」な事に気が付き、

500本組んだ辺りで創意工夫する事を知り、700本組んだ辺りで逆に訳分からんくなって来て、

900本組んだ辺りで抑えるべきポイントが何となく見えて来たのか?といった感じで、

最高のホイルを組むなどという境地は遥か遥か彼方で影さえ見えません。


ホイルの事を真摯に追求されている「のむらぼ」さんの様なショップがあるにも関わらず、

「取り敢えずコレコレで組んどいて」と作業を投げて頂ける近所の皆様が居てくださるからこそ、

自転車屋が自転車屋で居れるのです、実に実に有り難い事です。

昔組んだ時には何も感じなかったRMも、今組むと結構組み辛いというか雑味が多い製品である事に気付きます。

比べれば今のリムは廉価品でも皆々良く出来ているなぁと感心する反面、

RMくらいの雑さに好感を持ってしまうのはワタクシだけでしょうか?

空井戸サイクル

「自転車に恋をして」 日々横を通り過ぎるママチャリでなく、恐る恐る触れる超高級車でもなく、跨り漕ぐ度にときめく自分の愛車。それを見つける旅の水先案内人が自転車屋です。そしてその恋がズッと続くお手伝いを今日も明日も明後日もしていたかったのですが令和二年をもって廃業し現在地下潜伏中。