修羅。

エンジン停止が決定したはずが、此処に来てアフターバーナーに着火した弊店。

アレもコレもとやる事はある訳ですが、自転車屋としての基本である「作業」が最優先。

今日もバシバシホイル組みを進めて行く、そんな中で「???」となる曲者が。

ハブの回りが尋常でないレベルでゴリっています。

ゴリッてるというのはウホってるという意味ではなくベアリングが傷んでいるの意。


オーナーさんに「こんなんでしたか?」と聞くと、「コグが外れなかったのでドツキ回した」との事で、

ドツいただけでこんなに傷むとは思えませんが、劣化とドツキのハーモニー、という事なので御座いましょう。


まぁベアリングなんか打ち替えてしまえば良いだけの話なのでレンチを掛けてハブ軸解体からスタート。

スポン。

軸が抜けました。と同時に「抜けてしまった」という側面がある事も否めない。

と、申しますのも此方のハブは左右のベアリングの間にセンターシャフトが入っており、

そのカラーに左右から其々固定ボルトが刺さるという構造上、左右のボルトを同時に外す事が出来ません。


「左右どちらか緩み易い方から先に外れる⇒反対側のボルト・ベアリング・センターシャフトが三位一体のまま打ち抜く」

その際、ベアリングが傷んでいる側のボルトが外れたら「三位一体を抜いた後、ハブボディに残ったベアリングを打ち替える」

という素晴らしくイージーな作戦(+α)で対処出来るのですが、今回外れたのは傷んでない側で・・・。



ツルツルで掴みどころの無いセンターシャフトをしっかり固定して、もう片方のナットを外さねばなりません。

一般的にはV溝を切った木製の何かを介してバイスで挟み込んで固定しますが、V型である時点でどこまで行っても接触点は4点止まり。

まだ滑るか?まだ滑るか!とグイグイバイスを締め上げて行けばアルミ製のシャフトが変形してしまい取り返しのつかん事になります。


なんかもっとこう・・・丁度良いモノは無いかねぇ・・・Φ18mmのパイプをしっかり固定で来そうなモノは。

ハンドルバーの基準であるΦ22.2mmなら目の前に一杯あるんですけどねぇ。

22.2mmならある、欲しいのは18mm、ならばその差を埋めてやれば良いって事スか?

という事で用意したるはバーエンド(ツノ)と、リアリフレクターのシートステー用固定小物。

樹脂製のステー小物をハサミとカッターで適当に切ったり削ったりしてC型に加工したなら、

バーエンドのクランプ部に滑り込ませてシャフトにセット。そしてボルトを締め上げれば!

シャフトへの負担は最小限に抑えつつ最大限の固定力を発揮してくれる、という寸法です。

此処まで来たら残りの作業は超イージー、ボルト抜いてベアリング交換して再度組み込んで回転スルスルス〜♬


まぁこの様にですね、自転車屋の仕事なぞというのは高度な作業が占める割合は決して多くなく、

お客様のお困り事を(失敗する事無く!)なんなと解決するお手伝いさんみたいなモンが殆どです。

そんな単純で原始的な中身だからこそ自転車って最高!だと思うのは私だけでしょうか?




はい、前半終了。

続きまして随分間が空いてしまった特価御提案の続きをば。

Pepcycles/NS−S1のフレーム&フォークです。

元々完成車でしたが弊店が部品を入れ替え入れ替え強化した後、強化された部品が丸ごと抜かれて骨組みだけとなった此方。

何せ元完成車ですから新品とは言え組み傷があります。なので新古品?というべきなのでしょうか?よく分かりません。

フレーム&フォーク販売のNSも存在しますが、フレーム売りの分はカーボンフォーク付属なのに対し、

今回の分は完成車ベースなのでクロモリフォークが付属。ついでに言えばヘッドセットもそのまま付属。

一番人気のグレーな事に加え、サイズは早々に完売したLサイズ(570)ですので、

「買えなかったけれどコレが良かったんだよな〜」という方も居られるのではないでしょうか?

Pepcycles NSフレーム&フォーク L(570)  ¥40,000(税別)

「組み上げるにはあのパーツとそのパーツと・・・」と脳内コンピュータが動き始めたアナタ!

追加でカーボンフォークを買ってもまだまだ安いコヤツをキャッチしておくんなさいまし。


あと秘宝館もボチボチ追加して行ってるので引き続き御協力下さい。

空井戸サイクル

「自転車に恋をして」 日々横を通り過ぎるママチャリでなく、恐る恐る触れる超高級車でもなく、跨り漕ぐ度にときめく自分の愛車。それを見つける旅の水先案内人が自転車屋です。そしてその恋がズッと続くお手伝いを今日も明日も明後日もしていたかったのですが令和二年をもって廃業し現在地下潜伏中。