呪文詠唱ラララララ。

「老兵は死なず」とスマートに去りたい所なのに、未だ作業を引き摺っている故・空井戸サイクルです。

とは言え営業日や営業時間の縛りを緩めたので天気の良い日はNo作業、Yesオタマジャクシ。

巨大なウシガエルのオタマジャクシが、遥かに小さいミニマム級の子ヒキガエルを捕食するという、

下剋上的ドラマに見入りつつ、頭の隅で「アレをどないしたモンか・・・」と思い馳せるはオーバーホール中のマシーン達。



作業なんてのは基本的に「やっつけて行く」のみ。千切っては投げ千切っては投げ、みたいな。

ただオーバーホールする=長期間放ったらかしで全体的にヤレてる車両である事が多く、

「固着」という千切れない&投げられない状態に陥っている事しばしば。特にシートポストの固着は頻度の高いアルアル系。


固着を無理に剥ごうとしてフレーム傷めたりポストのヤグラ潰したりシートレール折ったりして、それでも抜けないとか最悪。

固着していようが何だろうが乗れる状態だったモノを、乗れなくしてしまっては話にならんですが、


アイデア工具「ポスト一発くん」を使い時間を掛けて、時に激しく時に切なく抜いて行くべし行くべし行くべし。

無事抜けたらリーマーかけて内面をツルツルに戻してやる、以降はゆったりと下り坂を下りる様に作業を進めてゴール。

「シングルだからラフ&タフ」と構えて約15年ほぼ乗りっぱなしだったSurly/1x1の第二世代モデル。

15年分の垢を落としてスッキリ爽快、次のオーバーホールは2035年頃予定。



同じ頃にお求め頂いたはず、と記憶しているSurly/空手モンキーの初代モデルも作業完了。

此方は諸事情あり解体されていたモノをオーナー手持ち部品とワタクシの私品と新品部品のチャンポンでリボーン。

塗装の状態が比較的良かった1x1は磨きを入れたのに対し、此方の空手はとてもとても傷だらけなので、

敢えて磨きを入れずにそのままリメイクした結果・・・手前味噌ながら渋い仕上がりに。


今のMTBトレンドとは全然違う方向ですが「これぞ我が世代のスタンダードMTB!」と勝手に思ったりします。

頭を柔らかくして時代に乗って行かねば「老害」一直線なんでしょうけど、自転車屋では無くなるのでまぁ別に良いか、と。

あとは工具をオモチャにしている次世代にお任せして、ワタクシは今目の前にあるマシーン達の為に復活の呪文を唱えるべし。

っていうか店舗明け渡しまであと10日、そろそろ焦って来ました。

空井戸サイクル

「自転車に恋をして」 日々横を通り過ぎるママチャリでなく、恐る恐る触れる超高級車でもなく、跨り漕ぐ度にときめく自分の愛車。それを見つける旅の水先案内人が自転車屋です。そしてその恋がズッと続くお手伝いを今日も明日も明後日もしていたかったのですが令和二年をもって廃業し現在地下潜伏中。