グッド・ジャーニー。

久っっさし振りに完成車が届きました、サルサのジャーニーマンと申します。

Salsa Journeyman(sora/700) ¥159,800(税別)


「ジャーニーマンってなーにーマン?」という問いに対して簡潔に答えようとするならば、

グラベルロードというジャンルを切り拓いた「Warbird」の弟分、という一言になるかと。

詳細が発表される前は「Vayaのアルミフレーム版」という噂も聞こえて来ていましたが、

実際にはワーバードの前三角部材を用いて、ワーバードよりも少しBB低く(−2mm)チェーンステーを少し長く(+10mm)と、

少しマイルド方向に振ったマルチロードスポーツ兼ロングライドバイク。

フレームは6061−T6アルミベースにカーボンフォークという組み合わせですから、

重量が必要以上に重くなる事も無くスッキリ軽快なスポーツ感を醸しております。

またワーバードの様なグラベルロードが皆挙って先鋭化し、前後スルーアクスルが当然となった今、

前後共に使い馴染んだクイック使用(100x135mm)というのが非常〜に好感持てます。


このスルーアクスルの功罪についてはまだ日を改めてキッチリ纏めたいと思いますが、

個人的には「スルーアクスル=DOHC」みたいな印象を持っておりまして、

突き詰めて突き詰めてした時のスルーアクスルは非常に大きな効果を示してくれるモノの、

そこまでブン回して絞り出す訳ではない、となれば「QR=SOHC」の方が優れている事もある、みたいな。


意味わかんないですね、というか何でエンジンに例えるんでしょう?ワタシは。

意味分からんついでに言えば4バルブと2バルブの関係でも行けそうです。

まぁ要するに何でもかんでもスルーにすりゃ良いってモンじゃないと考えちゃうんですよね。

コンポも11速から12速時代に突入しようかという今なのに、9速のSoraメインの構成。

此処もスルーアクスルと同じく「段数増やせば良いってモンじゃない」と考えるワタシにとっては好感持つ所で、

9速ってやっぱりチェーンの寿命が長いですし、多少スプロケ減ってもシフト調整ズレても、

「変速する」という基本的な仕事を放棄しない所はもっと評価されるべきだと思いますです。


それに・・・家に転がってる9速時代のMTBリアメカやスプロケとか使えちゃう点も良いですよ。




タイヤクリアランスは兄貴譲りのワイドさ加減、というかワーバードよりも少し広く、700cでMAX50mmのクリアランスを確保。

50cってインチで言うと約2.0インチですから、XC系の29erタイヤなら結構履けそうですよね。

で、前後共にQRエンドという事は・・・今は使ってない29erホイルを再利用出来たりもする訳です。

また27.5インチ(=650B)であれば更に余裕は増して2.2インチ幅までOKとの事ですので、

フルパニアに荷物満載で夏休みロングツーリング、みたいな事もバッチリ視野に入る、と。



ワーバードと同じくワイヤは内装&フルアウターですので、本気の泥仕合を繰り返してもお手入れ楽々ですし、

ボトル台座は3箇所のトリプルボトル対応、フォークにはSalsa発祥の3点ダボ装備、

更にトップチューブ上にはトップチューブマウントもあり〜ので、跨がれば北海道の幻が見えそうな塩梅。


このジャーニーマンのプロト車両を前に、ある同輩は言いました。「シャバい」と。

確かに価格帯や構成部品をヒエラルキーに当て嵌めると、そういう評価も下され得ましょう。

でもワタクシにとってはシャバいというよりも寧ろ、「今求められる最適なパッケージング」という風に見えたりもするのです。

駆ける道具として下から湧いて来たジャーニーマン、舐めてって足元掬われっぞ!

空井戸サイクル

「自転車に恋をして」 日々横を通り過ぎるママチャリでなく、恐る恐る触れる超高級車でもなく、跨り漕ぐ度にときめく自分の愛車。それを見つける旅の水先案内人が自転車屋です。そしてその恋がズッと続くお手伝いを今日も明日も明後日もしていたかったのですが令和二年をもって廃業し現在地下潜伏中。