顔顔顔。
自転車の顔といえば「クランク」、と言い切りたい所ですが単なる思い込みかもしれません。
しかしクランクがパッと見の印象を大きく左右する事は事実でありまして、
「その車両の狙う方向性」をホイルやコンポよりも如実に表す事も時々あったりなかったり。
予算に余裕があればPaulでもWhiteでもMiddelburnでも好き放題ですし、
時間の壁を越えられるならCook-brosでもKookaでもジャンジャン選び放題。
しかし何でもそうですが「やりたい放題やりゃ良い」ってモンでもありませんで、
限られた予算の中で、実用性を犠牲にせず、視覚的バランスを取るという事は地味ながら重要なポイントでありましょう。
個人的に最近気に入ってるのが此方のクランク、東京サンエスさんのオリジナル品「ラ・クランク」。
最小130mmから展開されるアーム長と、かなり狭いQファクターを売りとする此方の製品ですが、
御覧の通りアウターリングがスパイダーの内側に入る構造になっておりまして、
細身のアームと相まってシングルでの使用に中々良い塩梅です。
BBはアウトボードを使うので実用性は高いですし、クランクアームのみであれば¥15,000と中々にリーズナブル。
しかしそれが良いか悪いか・必要か否かは人其々、価値観千差万別です。
例えば今回計画立案&作業の指示を頂いている一台などは、外観に関する拘りは基本的に無いに等しく、
偶然中古で回って来たフレームを程よく実用的に組んでしまおうかなぁ〜という感じ。
じゃぁコレ使いますか、と引っ張り出して来たのはSora(FC-R3000)のクランク。
以前コンポ載せ替え作業をさせて頂いた際、お客様が置いて行ったお古です。
「ソラの中古クランクを必要とする人って居ますかね?」と言われて置いて行かれた此奴ですが、
実用上は問題などある訳無いし、BBもついているし、二束三文で譲って貰えるだろうしで実に良い。
ただ今回組む予定の車両は「出来れば簡単操作が好ましい」という事ですので、フロントシングルにしたいんですよね。
でもシマノのX形4アームのシングルリングって結構選択肢少ないですし、
例えば此方のWolf-toothのリングの様にシマノ110pcd/4アーム対応を謳っていても、
対応クランク一覧にはデュラ・アルテ・105程度まで表記されていてもSoraは・・・で。
嵌まるはずなんですよ、嵌まらない訳がない。
でもMTBの104pcd/4アームでもHoneのバッシュガードは内寸が違って他のクランクに着けられないとか、
そういった微妙な違いというのもあり得るしなぁ〜、などと悩むより着けるが易し!
ホラ!着いた!
いい感じじゃないですか〜、普通に格好良いですね。
コレはもうSoraのシングル化ブームとか来ちゃう可能性もありますよ。
ただ問題は。
クランク自体が¥9,898なのに対しウルフトゥースのリングが¥11,740と、リングの方が高いという価格関係。
そのリング買う予算があればアルミガードも付いてりゃBBさえもついてくるシングルスピードクランク、
アルフィーネクランク(FC-S501/¥12,670)を新品で買った方が手っ取り早いですしね。
まぁ今回は余り物のクランクを活用して仕立て直す、という所にこそ面白みがあり、
それが結果として車両全体の方向性を表す「顔」になるという様な話で御座いますよ。
因みにR3000のリングはこんな感じ。
歯は素っ気ない鉄チンリングで、その上にプラッチックのカバーを乗っける事でツルンとしたデザインに仕立ててるんですね。
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