ルサンチマン。
「バレンタインデーですね、チョコをどうぞ!」
天然素材であるという意味においてはチョコと同じ、そんな漆を用いた漆塗りで御座います。
どうやら漆は真鍮と親和性が高い様で、主材の地金は透けつつも真鍮によるフィレット部分は濃厚な色合いに。
装飾として各部に潜ませたダマスカス鋼はバウムクーヘンみたいになって微妙に美味しそう。
本品は試作品というかショー用というかなアレで、販売を前提として作っている訳ではありません。
なので掛かっている費用も計算する事が出来ない宙ぶらりん状態なのですが、
ザックリ言えばスーパーコルサとかとそんなに変わらん程度と、異世界の乗り物でも無かったりします。
まぁだからと言って商品化したら売れるか?売る自信があるか?と聞かれたら答に窮するのですが、
パッと見回す限り見当たらない選択肢を提案するという事には僅かながらも意義があるのでは?という感じで。
毎回、こんな行き当たりばったりの与太に付き合ってくれるSunrisecyclesには感謝しかありません。
同時に弊店過去10年を通して最大の反省・後悔は、Sunrisecyclesの天才っぷりを世に知らしめる事が出来なかった事。
「漆が馴染む日本的な意匠」という問いに対しステレオタイプな和風で答えるのではなく、
寺社仏閣建築を彷彿とさせる直線基調にアールを乗せた矢羽の様な意匠で答える。
コレだけのデザイン能力を持ち、そして此処まで高いレベルで造形し切れるビルダーが一体どれほど存在するでしょう?
そして彼の作り出す唯一無二のフレームは造形だけでなく、絶対的な精密度で組み上げられた結果快走力も秀でており、
それでいて有りモノの高級フレームと同程度の予算で制作可能、なのにオーダーが3年先まで埋まっているとかいう状況では無い。
もどかしく、口惜しい・・・。
「Sunrise高井氏や俺が死んでから後悔すんなよ!というか後悔させたるからな!」
と負け犬の遠吠えを噛み締めつつも、本日ワタクシは誕生日を迎えまた一つ歳をとりました。
どうもワタクシも高井氏もまだまだ死にそうにないので、これからもヒッソリと世に噛み付いて行こうと思います。
エリック・クラプトンみたいな著名人からオーダーが来て、それを切欠に世界中からオーダー殺到、
合わせて女子の反応も出ちゃってバレンタインデーには軽トラ一台分のチョコが!みたいな事はあり得ないと知りつつも。
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