チルヲメデル。
自動車とすれ違う際、視界の隅に動く何かを感知。
敵か!と身構え確認すると、それは走行風で巻き上げられた桜の花びらでした。
フワフワと散る桜というのは何とも良いモンですな。掃除するの大変ですけど。
さぁ本日はそんな花びらの様に軽く風に舞う一着が届きましたのでご案内をば。
CCP タイベックフーディー ¥13,000(税別)
名前のまんま、タイベックで作られたフードジャケットです。
陽の透け具合からも分かる通り紙の様に薄く軽い・・・というか最早ある種の紙ですよねタイベックって。
軽さに因る携帯性の良さと相反する強さ、適度な防風性・透湿性・防水性という特徴からアウトドアで用いられる事も多い素材で、
一時は様々なアパレルブランドから次々と洒落たタイベック素材ウェアが出されました。
しかし素材の表情が一辺倒なので他との差異がつけ辛い事や、伸縮性が全く無いのでパターン取りが難しい事、
そして何よりそもそも作業現場の養生や使い捨ての作業着で多く使われていた素材ゆえ、
実用作業着との価格差が如実に現れた事などが影響したのか、最近は勢いが衰えているような気がします。
でも素材単価なんて言い出したら、大体どんな素材も・・・そんな高いモンじゃないんですけどねぇ。
グラム単位で幾らって肉じゃないんだから。服は着て良いか悪いかでしょう。
今回のタイベックジャケットはCCPとしては何作目になるのか?ハッキリ覚えていませんが、
過去のモノの多くがパターンの工夫で着易さとラインを出そうと攻めていたのに対し、
敢えてシンプルなパターン取りと少しルーズなサイズ感で纏めた最新作は「タイベックの良さ」がよく出ているなぁ、と。
その軽さは少しの風でもなびくほど、ならばなびく姿の中にスタイルを、みたいな感じで、
両開きのフロントファスナと長めの丈は気温の上下や、動作の種類によって色々な表情を見せます。
「無駄に長い」と言ってしまいそうなスピンドルコードがね、アクセントになってよう似合とんですよ。
全体的にもそうですが腕周りもルーズめに作られているので、タイベック独特の着辛さみたいなのは殆ど感じませんし、
下に着ているのがTシャツ1枚でも、スウェットとの重ね着でも幅広く行けてしまいそうな感じ。
丸めてスピンドルコードで纏めれば500ml缶くらいのサイズになりますので、バッグに忍ばせても然程邪魔にはならんでしょう。
予想しきれない花冷えで震える時もパッと羽織ればホンワリ暖かく、小雨もしのぐのにもまた良し。
逆に暖かくなり邪魔になれば丸めてポケットにでも突っ込んどく、とそんな。
個人的にタイベックの最大のデメリットは「耐久性」なんじゃないかと思います。
もって5年、普通に着てりゃ3年くらいが寿命になるのではないかなぁといった感じで。
そういった耐久性を求めるならばレザーなり何なりと良い素材がいくらでもありますから、
驚異的に軽くて強くて、そして誰がどう見てもタイベック!な一着をパッと楽しんで頂くべきで御座いましょう。
散るを愛でるの精神ですな。
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